生命保険会社の、保険料一時払の外貨建保険には、【市場価格調整(しじょうかかくちょうせい)=MVA(Market Value Adjustment)】というものが、セットされている。
外貨建保険というと、為替レートとか、金利の高さばかりにフォーカスしてしまうけど、この【市場価格調整】というのも、かなりやっかいで、要注意なんだ!
今回の記事では、市場価格調整を分かりやすく! レクチャーするよ!


まず、市場価格調整とは、そもそも何? を説明しよう。
この記事の目次
市場価格調整とは?そもそも何か?
まず、保険会社のパンフレット記載内容から確認しよう。
市場価格調整率は経過期間や市場環境の変化などによって変動します。
なお、一般的に、債券の価値は、市場金利が高くなると下がり、市場金利が低くなると上がる性質があります。
市場価格調整率には上限および下限がありません
(メットライフ生命【ビーウィズユープラス】パンフレットより転記)
保険の文言だから仕方がないかもしれないが、難しい書き方だね。


まず、多くの生命保険会社の保険料一時払の外貨建保険に、この【市場価格調整】というのはセットされているんだ。(メットライフ生命や、マニュライフ生命、ジブラルタ生命、第一フロンティア生命など、多くの会社で導入されている)
英語では、【市場価格調整】のことを
MVA【Market Value Adjustment】と表記される。
・Value=価値
・Adjustment=調整
何を調整するの??
ということだけど、
保険契約を途中で解約するときに、解約返戻金を市場の価値(=市場金利)によって調整します、ということだ。
具体的にいうと、
保険の契約を、途中で解約するときには、
契約した時の金利と、解約する時の市場金利とを比較して、
契約時の金利よりも解約時の市場金利が高い場合には、契約者が受け取る解約返戻金が少なくなり、
その逆に、
契約時の金利よりも解約時の市場金利が低い場合には、契約者が受け取る解約返戻金は多くなる、という調整をします、というのが【市場価格調整】の仕組みなんだ。
解約する時の金利が高いなら、解約時の解約返戻金の額も、高くなるんじゃないの??
と思われがちだが、実は、逆なんだ。

理由を説明するよ。
例えば、3.5%で契約した商品を、市場金利が2.0%のときに途中解約すると、保険会社はそれを市場に高く売ることができるため、その恩恵を解約返戻金に反映させる。
その逆に、
3.5%で契約した商品を、市場金利が4.5%のときに途中解約(=つまり市場で売却するということ)すると、安くしないと市場に売れないため、その値下げした分を解約返戻金に反映させて少なくなってしまう、ということなんだ。
売却時に価値が高いものは高く評価し、その逆で、価値が低いものは買いたたかれて低く評価される、ということだよ。

より理解が深まると思う。
正直、契約者にとっては優しくない仕組みだと思うよ。
確定されていない訳だから。


たとえば、2018年に4.0%で契約した保険を保有している人がいるとする。
コロナショックの影響で金利が下がった2020年5月だと、市場金利が2.5%とかになっている訳だから、その時点で解約したら、【市場価格調整】の恩恵で、プラスになるわけだからね。
状況によっては、契約者にとってプラスになるよ。
なので、2020年5月時点などの低金利時代の契約だと、将来金利が上がった時に解約すると、市場価格調整の影響を受けて、少なくなると予想されるから、よく考えてほしいよ。
(購入時の為替レートでよく判断してほしい。)
ちなみに、市場価格調整は、運用期間(積立利率保証期間)の後半になればなるほど、その影響は小さくなるんだ。
こんな計算式で計算されるからだ。
市場価格調整の計算式
マニュライフ生命【未来を楽しむ終身保険】の市場価格調整の計算式だ。
積立金に対して、次で算出された調整率がかかる。
細かい計算式までは覚えなくていいけど、
契約してから年月が経過するほど、市場価格調整の影響は小さくなる、ということだけ理解してもらえればいい。
ちなみに、【市場価格調整】は、保険を途中解約するときに適用されるものだから、契約期間の途中じゃなく、保険期間ぴったり(基準利率保証期間の10年や20年ぴったり※名称や期間は契約によって変わる)で解約したら、【市場価格調整】の影響は受けなくてすむよ。
覚えておいてほしい。

それから、途中解約の注意点としては、【市場価格調整】のほかに、【解約控除】も知っておいてほしい。

外貨一時払保険の途中解約には、【解約控除】もある
これも、多くの保険会社でセットされているよ。
参考に、マニュライフ生命【未来を楽しむ終身保険(10年タイプ)】の解約控除は次のようになっている。
契約日からの経過年数 | 解約控除率 |
---|---|
1年以内 | 10% |
1~2年以内 | 9% |
2~3年以内 | 8% |
3~4年以内 | 7% |
4~5年以内 | 6% |
5~6年以内 | 5% |
6~7年以内 | 4% |
7~8年以内 | 3% |
8~9年以内 | 2% |
9~10年以内 | 1% |
10年以上 | なし |
この場合だと、契約して1年未満で解約すると、積立金から10%もマイナスされてしまうからね。
これも知っておこう。

【市場価格調整】のまとめ&その他
・【市場価格調整】は、マニュライフ生命、メットライフ生命、ジブラルタ生命など、多くの外貨一時払商品に適用されている。
・【市場価格調整】とは、契約時金利と、解約時金利の差で、解約返戻金が調整されてしまう制度。
・途中解約の場合のみに適用される。
・契約後の年月の経過とともに、影響は小さくなっていく。
・保険期間ぴったりで解約したときには、【市場価格調整】は、かからない。

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