保険に加入するときに、ちゃんと健康状態や病歴を告知したのに【始期前発病】だから!、という理由で、保険会社から給付金が支払われないケースがある。
保険に加入するときの、告知義務や、不担保規定などと比べて、この【始期前発病】は、あまり注目されることがないが、実はかなり重要な話なんだ。
今回も3者対談でお送りします。

初めて聞く専門用語です。


この【始期前発症】の規定は、世間一般の消費者の感覚と、かなりずれていると思う。
詳しく解説するワン。
【始期前発症】は、給付金のお支払いができない場合の代表事例だ

以下は、SOMPOひまわり生命の、医療保険の約款からの転記だ。
(たまたま、SOMPOひまわり生命を転記しましたが、各社同様の記載が多いです)
死亡保険金以外の保険金や給付金は、ご契約(特約)の責任開始期より前に発病していた病気や責任開始期より前に発生した事故を原因とする場合には、お支払いできません。
ようは、契約する前から持ってた病気が原因で、入院や手術や先進医療、あるいは高度障害になっても、給付金は支払いませんよ、ということだ。
さらっと書いてるけど、なかなか重たいことを書いている。
給付金は受け取れない。

告知してても、契約前からの病気だから出ないって??
何かだまされた様な気持ちになるかも。


この規定は、保険業界全体としての課題だろうね。
世間一般の感覚として、健康告知して診査が通っているなら出るだろう、って思うからね。
いざ、出ないって、言われたら不意打ちされたような気持ちになると思う。
契約してから( )年間は不担保です、っていう【部位不担保契約】ならば、契約するときにあらかじめ提示されて本人も了解済みだから理解できるけど、一般のお客さんだったら、びっくりすると思う。

特定部位不担保契約って何?
【部位不担保契約】というのは、
保険の診査は通ったけど、契約してから今から( )年間はこの場所の病気(※たとえば胃とか)で入院や手術や先進医療などを使っても給付金は出ない、という条件付き契約のことをいうんだ。
( )年間には、2年とか5年とか、あるいは一生涯とか、期間はそれぞれだ。
特定部位も、
・胃など、の場所に付くこともあれば、
・異常妊娠・異常分娩といった、病名に付くこともある、
申し込み時の健康状態によるんだ。
ただ、これについては、契約する時に、個別に保険会社から条件が提示されて、了解するかしないかは、あらかじめ契約者が決めることができる。
保険会社-契約者双方にとって納得性の高い、手続きなんだよ。
ちなみに、【条件付き契約】には、いま話した【部位不担保】のほかに、【保険料割増】とか【削減】とか、いろいろあるよ。
そういう契約もあるんですね。


責任開始期から2年経過後に開始したものに関しては、出ることが多い
全部の会社ではないけど、さっきのSOMPOひまわり生命の約款にも、続きで次のように書いているんだ。
※ご契約の保険種類・ご加入時期によって取扱いが異なる場合があります。
実際には、契約から2年経過したあとの入院や手術は給付します、ということだね。
あとは、保険会社も実務的には支払うことも多い、と聞くよ。


だからといって告知違反するとそもそも出なくなるからダメだワン。
この始期前発病に関しては、廃止してより契約者にとって分かりやすい部位不担保などの免責規定に置き換えるなどしてほしいね。
初めから不担保期間2年間です、って明示してくれていたほうが分かりやすいけどね。
業界全体として、もっと分かりやすくないとね。
今回は意見交換みたいな記事でしたが、最後にまとめだよ。

まとめ
・医療保険やガン保険、生命保険には、【始期前発病】といって契約する前の病気やケガが原因のときは、給付金が受け取れない(※きちんと告知をしていた場合であっても)。
・一般の契約者にとっては、かなり分かりづらい制度である。
・契約から2年経過後に開始した入院や手術については支払う、としている会社が多い。
・実務的には保険会社によって異なり、始期前発病で2年以内であっても給付金が出る場合もある。
・初めから不担保期間2年間、と提示するなど、業界全体として分かりやすい制度になることを期待する。
お役に立てば嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございました。
下記もよければ、読んで下さいね! 告知義務を分かりやすくまとめてます!