新社会人が入る保険として、前々回の①【医療保険】編、前回の②【がん・特定疾病保険】に続き、今回は、③【積立タイプの保険】について、です。
・積立タイプの保険って、どういう仕組みなの??
・銀行の貯金とどう違うの??
・低金利の時代だけど、積立タイプってどうなの?? など。。 3者対談でお送りします。

【積立タイプの保険】の話をするワン。
【保険で積立】ができるんですね。
でも、今一つ分からないので、どういうことか説明してもらえますか?

まずは、積立保険の代表例として、【終身保険】と【養老保険】を説明するよ。

積立保険の代表例:その①【終身保険】とは?
まずは、下の図を見てほしい。
(2020.4月時点)ソニー生命・終身保険(有期払込終身保険)
・契約時年令:35才(男・女)
・保険料払込期間:60才まで
・保険期間:終身(一生涯)
・死亡高度障害保険金額:1,000万円
・保険料払込総額:男性867万円、女性806万円
この終身保険というのは、生命保険だ。
生命保険だから、この例だと、保険を掛けている間に、病気や事故などで死亡や高度障害になったときは1,000万円という保険金が振り込まれる。
35才男性で契約したなら、毎月28,910円を支払っていく訳だが、仮に65才で解約したとすると834万円が解約返戻金として受け取れるんだ。
ただし、この場合、契約者が払い込んだ保険料は、累計で867万円だから、65才で解約返戻金としての受取が834万円だったら、支払った額よりも少なくなることになるよね。
保険としての経費が含まれているからだ。


死亡や高度障害があれば1,000万円に変わって保険は終了なので、プラスにはなるが、それでなければ、最近の低金利では増えないんだ。
ただ、A子さんのお父さんみたいに、【扶養家族がいる。】という人にとっては、終身保険は入る価値がある。
なぜなら、死亡や高度障害になってしまったときには家族に大きなお金を残すことで守ってあげられるからだ。
また、この例だと、払込は60才で終了するから、契約者が支払う保険料総額は867万円以上になることはなく、そのまま置いておけば、1,000万円の保険金を家族が受け取ることになるんだ。


ただ、契約してから10年未満とかに解約すると、かなり減ってしまうことになる。
商品にもよるが、6~7割くらいしか戻ってこないよ。
終身保険で積立するには、商品にもよるけど、少なくとも、20年とか30年とか長期で考える必要があるんだよ。
扶養家族がいる人にはいいかもですね。


積立保険の代表例:その②【養老保険】とは?
まず、図から見てみよう。
(2020.4月時点)ソニー生命・養老保険(無配当)
・契約時年令:35才(男・女)
・保険料払込期間:60才まで
・保険期間:60才まで
・死亡高度障害保険金額:1,000万円
・保険料払込総額:男性1,093万円、女性1,080万円
この養老保険も、生命保険になる。
さっきの終身保険と同じく、死亡や高度障害の保険金が付いている。
35才男性で契約したなら、毎月36,450円を60才まで支払っていき、60才で無事、満期を迎えると満期保険金1,000万円が受け取れるんだ。
ただ、この場合も、契約者が払い込んだ保険料の累計は、1,093万円だから、支払った額よりも少なくなることになる。
保険としての経費が含まれているからだ。


この【養老保険】は、契約時に決めた年令(この例なら60才)になったら、そこで満期保険金が支払われて終了なんだ。
学資保険なんかも、養老保険が進化したものだ。 満期保険金をもらって終了、という意味でね。
終身保険も養老保険も、生命保険(死亡、高度障害)の保障が付くから、A子さんのお父さんみたいに保障がいる人にとっては加入する意味がある。
ただ、保障が付いているので、保険料の一部は経費になることで、解約返戻金(満期保険金)をあてにするのであれば、支払った額よりは減ってしまうのは両方とも同じだね。
それとも、医療保険の時みたいに、若い時に入ってたほうがメリットがあるのかな??


ただ、終身保険や養老保険は、結婚するとか、子どもができるとか、家族が増えるタイミングで考えてもいいと思うよ。
A子さんは独身だから、まず考えるべき積立タイプは、【個人年金タイプ】の保険かな。
名前は聞くけど、老後の年金と何か関係があるの??
貯金好きな私としては、ちょっと興味があります。


積立保険の代表例:その③【個人年金】とは?
【個人年金】というのも、生命保険会社が販売している貯蓄タイプの商品のことだ。
国がやっている【公的年金(=国民年金や厚生年金)】とは違う。
最近では、少子高齢化ということもあって、【公的年金】に不安を感じている人が多いから、【個人年金】に入る人はすごく増えているんだ。
銀行で貯蓄するか、保険会社で貯蓄するか、と考えると分かりやすい。
まずは図を見てほしい。
個人年金は、銀行の貯蓄とかなり似ている。
保険料払込期間中に、途中解約して【解約返戻金】として受け取ってもいいし、
最後まで払いきって、貯まったお金を【一括受取】してもいいし、
年金として、毎年分割で、10年とか、15年とか【確定年金】として受け取ってもいい。
生きている限りもらい続ける【終身年金】タイプもあるよ。
ちなみに、払込みの途中で亡くなってしまったら、【死亡給付金】として戻ってくる。
最近は、金利がだいぶ低くなってるって聞いたんですけど。


円建の個人年金はかなり低金利だから、これからの人は、外貨年金や変額年金も検討したほうがいい。
詳しく解説するね。
個人年金の金利はかなり低く、外貨年金や変額年金も検討したい
円固定の個人年金は、金利がかなり低い
配当金がつく商品が多いが、配当金が付かなかったら、少しのインフレ(=物価上昇)にも勝てないくらいだ。
保険料控除(=つまり節税)が目的で入るならいいけど、お金を増やすには向いていない。
外貨建(=アメリカドル、オーストラリアドル)の年金もある
円建よりも金利は高いが、為替レートの影響を受けるんだ。
解約は、円安ドル高のタイミングで解約する、ということを覚えておくといい。
株式などの投資信託で運用する変額年金もあり
若い人は、変額個人年金なんて、いいと思うよ。
個別の商品になってしまうが、【ソニー生命の変額保険】だと、増えた運用利益をお小遣いみたいにもらえるよ。
資産運用のとっかかりとして、スタートするにはもってこいの商品だ。
詳しい比較は、これらの記事も見てほしい。
⇒ソニー生命変額保険の運用益の引き出しとは?現役FPが解説!
銀行の貯金だと、すぐやめてもお金は減らないけど、保険会社だと、もれなくマイナスだ。
長期には強いけど早期解約には、めっぽう弱いから、せめて15年以上は続けないとメリットが出ないよ。

保険はあくまで、長期の積立ということですね。


これも、しっかりと覚えておくといいワン。
でも私は、さっき教えてくれた運用益が引き出せる保険に、興味がわきました。
お小遣いもらって、旅行とか行きたいな。
将来のために、しっかりと勉強します!


まとめ&その他
・終身保険や養老保険には、生命保険がつく代わりに、経費も含まれているため、保障の必要性を考えてから入る。
・短期間での解約は、ほぼマイナスになる。商品にもよるが15年以上は続けないとメリットがない。
・だから、無理のない続けられる額でスタートすること。
・円建の商品は金利が低い。外貨保険や変額保険も視野に入れる。
いちど、無料相談などで聞いてみて下さい(^^♪