2018.9月からの新商品で、ライフネット生命(働く人の保険)や、アフラック(給与サポート保険)よりも保険料が安く、精神疾患もカバーするので、ランキングをつけると、就業不能保険の中では一番注目の商品です。
この就業不能保険という新しい分野の商品は、入院や在宅療養で就業不能な期間が60日を超えて続いたときに、その状態が続いている限り、保険期間(60才や65才が多い)終了まで、毎月10万円等の給付金が支払われる、というもの。
保険料も月2,000円~3,000円程度、と安めです。
ただ、まだまだ新しい分野の商品であり、注意点やデメリット、押さえておきたいポイントもあるので、今回は、アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」について、現役FPの視点で解説していきます。
就業不能保険の他社のラインナップ
アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」の説明の前に、そもそも就業不能保険は、他社ではどんなラインナップがあるのでしょうか?
単体、つまり主契約で契約できる、就業不能保険として、商品を4つあげました。
・アクサダイレクト生命「働けないときの安心」(今回のメインテーマ)
・ライフネット生命「働く人への保険2」
・アフラック「給与サポート保険」
・日本生命「もしもの時の生活費」
が主な比較商品で、就業不能保険を検討するなら、この4商品は要チェックです。
ただし、、、就業不能保険はこの先、良い商品が次々とリリースされ、バージョンアップもしてくるでしょう。
なので、将来、見直しする可能性が高いので単独商品で検討をし、2~3年でよい商品が出れば、都度見直ししていけばよいでしょう。
ではまず、アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」の商品内容(主契約と特約、取扱範囲など)を表にまとめてみました。
知っている方は、さっと読み飛ばして下さってOKです。
アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」の具体的な商品内容
名称 | 内容 |
---|---|
商品名 | アクサダイレクト生命・働けないときの安心 正式名称: 就業不能保険(無解約返戻金型) |
主契約 | 下記、いずれかの状態が、60日を超えて継続した場合 ・就業不能給付金: 病気やケガで働けなくなったとき ・就業不能給付金(精神疾患): 精神疾患で働けなくなったとき 月に1回、月額 5万円~50万円(5万円単位)。 精神疾患は18回が上限。 |
特約 (特則) | ・初期支払削減特則: ハーフタイプのこと。働けなくなったときの給付金が、540日(1年半)以内は、半分だけ給付される。(541日目以降は、満額で給付される。) |
取扱範囲等 | ・契約可能年齢: 20才~60才まで ・給付金月額: 5万円~50万円まで(5万円単位で設定可) ・保険期間、保険料払込期間: 60才、65才、70才 ・払込回数: 月払いのみ ・払込方法: 口座振替、クレジットカード ・非喫煙者割引: なし ・貯蓄性: なし |
アクサダイレクトは、ネット申し込みの商品ということもあって、
公式HP↓ や
https://www.axa-direct-life.co.jp/products/disability/index.html
保険料シミュレーション(公式HP)↓
https://www.axa-direct-life.co.jp/res/lifeweb/simulator.html?inflowtype=96
も見れますが、今回は、少し分かりやすく、表にまとめてみました。
「働けないときの安心」の具体的な設計例
就業不能給付金: 月額10万円
保険期間、保険料払込期間: 65才まで のプラン、保険料は掛けすてです。
契約年齢 | 男性 | 男性 (ハーフタイプ) | 女性 | 女性 (ハーフタイプ) |
---|---|---|---|---|
20才 | 2,020円 | 1,550円 | 1,650円 | 1,230円 |
30才 | 2,370円 | 1,810円 | 1,990円 | 1,470円 |
40才 | 2,890円 | 2,190円 | 2,470円 | 1,810円 |
50才 | 3,700円 | 2,800円 | 2,920円 | 2,130円 |
・就業不能給付金月額: 10万円
・保険期間、保険料払込期間: 65才
※ハーフタイプは、就業不能給付金が、当初 540日(1年半)以内は、半額(この例なら5万円/月)で給付されるタイプ。
ハーフタイプを選ぶと、2割ほど保険料が安いですが、就業不能の最初の540日間(要は1年半)は、半額しか出ないプランになります。
傷病手当金など会社の福利厚生が手厚い人ならハーフタイプもありでしょう。
続いて、「働けないときの安心」の主なデメリット、注意点などをお伝えします。
アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」のデメリットや注意点
△①働けない期間が、60日を超えないと、もらえない
アクサダイレクトに限らず、就業不能保険のほとんどは、就業不能保険の状態が60日を超えないと、給付金は出ません。
この、就業不能の状態とは、①治療のための入院、②医師の指示による在宅療養、③国民年金の障害等級2級以上に認定 とされています。
この状態が、60日、つまり約2か月を超える場合にのみ給付される、ということなので、簡単には受け取れない商品になっています。
△②精神疾患での就業不能は、条件がきびしく、入院か障害等級2級以上にならないと出ない
就業不能保険は、働けない期間が60日を超えたときに給付金が出るのですが、
精神疾患での就業不能の認定条件は、
①精神疾患の治療での入院 もしくは、
②国民年金の障害等級2級レベルに認定
されないと、給付金は出ないのです。(=在宅療養だけではダメ)
うつ病などで、働くことができず、ずっと自宅療養になったときでも、入院や障害認定までならないと、対象にならないのです。
△③精神疾患での就業不能給付金は、最高18回まで
精神疾患での就業不能給付金は、回数制限があり、通算18回の受け取りが上限になっています。長期でカバーしたい、と思っても、精神疾患での給付金は約1年半で終わってしまいます。
△④妊娠出産による就業不能の場合は、対象外となっている
妊娠出産による就業不能は、アクサダイレクトでは対象外となっています。
ライフネット生命の場合は、妊娠出産による就業不能も対象となったりするので、ここは弱い部分になります。
以上、デメリットや注意点になります。
それでは続いて、長所やメリットもお伝えしますね!
アクサダイレクト生命・就業不能保険「働けないときの安心」のメリットや長所、魅力
◎①保険料が安い
アクサダイレクトの保険料は、かなり安く、この中では最安になっています(比較表を作成してみました)
保険会社 | 商品名 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
アクサダイレクト | 働けないときの安心 | 2,370円 | 1,990円 |
ライフネット | 働く人への保険2 | 2,686円 | 2,638円 |
アフラック | 給与サポート保険 | 3,360円 | 3,320円 |
日本生命 | ニッセイ就業不能保険 | 3,550円 | 3,370円 |
・契約年令: 30才
・就業不能給付金月額: 10万円
・保険期間、保険料払込期間: 65才
特に女性が安いのが、嬉しいところです。
◎②就業不能給付金、月5万円から契約できる
主契約の就業不能給付金が、月額10万円~という会社が多いのですが、アクサダイレクトは、月額5万円~契約することができます。
月額5万円なら、月々の保険料も1,000円程度で契約できます。
給付月額5万円であっても、もしもの時にはかなり助かる額だと思うので、少額で初めてみてもよいでしょう。
◎③パート、アルバイトでも年収100万円以上あれば契約できる
アクサダイレクトは、パート、アルバイトでも年収100万円以上あれば契約できるので、所得がそれほど高くない人でも入りやすいです。
◎④うつ病など、精神疾患の就業不能も給付対象になっている
アクサダイレクトは、ライフネット生命やアフラックと異なり、精神疾患も給付の対象になっているのが、他社との比較では強いところです。
以上が、「働けないときの安心」のメリットや長所、魅力になります。
就業不能保険を検討するときに、押さえておきたいポイント
さいごに、就業不能保険を検討するときに、押さえておきたいポイントをお伝えします。
①短期でよいなら、損害保険会社の所得補償保険を検討するのもあり
就業不能保険の60日の免責期間は人によっては、長すぎる、と感じることでしょう。
なので、免責が7日間など短い、あいおいニッセイ同和損保や、日立キャピタル社の「所得補償保険」がありますが、1年更新の注意点(給付金をもらうと基本的に次回以降は更新できなくなる)や、保障も最大で2年間まで、など、といった弱さもあるのです。
②傷病手当金の制度は押さえておきたい
会社員であれば、就業不能保険の世話になる前に、健康保険の公的給付=「傷病手当金」の制度にすでに加入しています。
つまり、サラリーマンなら就業不能になったとしても、1年半は傷病手当金が出る(給料の2/3が保障される)ので、それなりの貯蓄があれば耐えられる、ということ。
ただ、1年半を超えて仕事ができず、障害年金を受給するようなレベルになると、所得が激減するので、それを補う目的、つまり長期の保障を考えて入るならば、ありだと思います。
また、自営業の人で、公的な社会保障が手薄な人、こういう人も、就業不能保険が必要な人だと思います。
まとめると、
・長期の就業不能の保障を備えたい人、
・健康保険の傷病手当金がない人(自営業の人など)、
は入る価値は大いにあると思います。
そして実際に契約するときには、就業不能への備えだけでなく、
・入院や手術(医療の保障)
・がん、心臓、脳などの大きな病気(3大疾病)
などへの守りをバランスよく考えていけばよいと思います。