先進医療に高額療養費は適用されるのでしょうか?
結論をお伝えすると、残念ながら先進医療に高額療養費は適用されません。
ですので、先進医療の医療費(正式には技術料という)が300万円だったのなら、この300万円は全額自己負担になります。
ではなぜ、先進医療に高額療養費は適用されないのでしょうか?
先進医療に高額療養費が適用されない理由
先進医療は、国(厚生労働省)が認めた治療ではありますが、公的医療保険(健康保険)が使えない治療です。
そもそも健康保険の対象外ですから、健康保険の制度である高額療養費が適用されず、全額自己負担となってしまうのです。
ちなみに日本では、新しい医療技術が公的医療保険になるまでは、安全性や効果の確認にかなりの時間がかかります。
先進医療も、将来的に公的医療保険の適用になる(外れる)可能性もありますが、それまで何年もかかるので、先進医療に関しては、利用する個々人が、何がしかの経済的な備えをしておく必要がある医療なのです。
では、どうやって経済的な備えをすればよいのでしょうか?
先進医療の高額な医療費は保険会社の先進医療特約でカバーできる
先進医療は全額自己負担になる、と先ほどお伝えしました(ちなみに主な先進医療の一覧は下の表の通りです)。
主な先進医療まとめ(年間実施件数順)
先進医療の名称(技術名) | 特徴 | 平均費用(自己負担) | 年間実施件数 | 平均入院日数 |
---|---|---|---|---|
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 | 白内障(眼の水晶体が濁る病気)の治療法。15分程度の手術で痛みもない | 55万円 | 11,478件 | 1日 |
陽子線治療 | 切らずにガンを死滅させるので身体への負担が少ない | 276万円 | 2,016件 | 9日 |
重粒子線治療 | 切らずにガンを死滅させるので身体への負担が少ない | 309万円 | 1,787件 | 10日 |
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 | 腺筋症部分だけを細かく切除する子宮腺筋症の手術 | 30万円 | 145件 | 11日 |
腹腔鏡下広汎子宮全摘術 | 早期の子宮頸ガンの手術。出血量も少なくてすむ | 74万円 | 136件 | 13日 |
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 | 内視鏡による甲状腺ガンの手術。手術の跡が目立たない | 26万円 | 106件 | 7日 |
ただ、先進医療も、保険会社の先進医療特約に契約していれば、この係った技術料(治療費)が全額、保険会社から給付されます。
先進医療特約は、医療保険やガン保険に特約(オプション)として付けられて、月々の保険料は、各社とも100円程度と安いので、少しの負担で、効果の高い最先端の治療を受けられる可能性が高まりますから、ぜひ付けておいて欲しい特約です。
先進医療特約については、こちらの記事⇒“先進医療特約とは?各社の違いから注意点まで現役FPが解説します!”で詳しくまとめているので、ぜひご覧下さい。
自分自身や大切な家族が、命にかかわるような病気や、難しい病気になったとしたら、最先端の医療を受けたいと思う人は多いはずです。最先端の医療は、身体への負担が少なく治療できるようになっていますから、そのような日本の先進医療制度を、大きな経済負担なく、受けられるように備えておいて欲しいと思います。
ご参考になれば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。