コスパの高さで評判(評価)の、医療保険、新キュア(新キュアレディ)は、実質ナンバーワンと言っても、言い過ぎではない商品でしたが、今回、2018年.10月に商品改定されました。
今回の主な改定内容としては、
①入院一時金特約が追加されたこと
②退院一時金特約(通院治療支援特約)が追加されたこと
③保険料が見直しされたこと
④保険料払込免除特約の内容が良くなったこと
なのですが、新しくなった、新キュアは実際どうなのでしょうか??
マネー雑誌や専門サイトや、ネットでの評判は高いですが、安いだけで、イザという時に使えなかったら困るし、安かろう悪かろうじゃないの??
という心配する人もいると思います。
そこで、今回の記事は、商品改定後の、新キュア(レディ)のメリット、デメリットなどを、専門家の立場から、しっかりと評価していきます。
ちなみに、新キュアと、新キュアレディの違いですが、
新キュアに【女性入院特約】を付けたものを、新キュアレディと呼んでいるだけなので、新キュアも、新キュアレディも、もともとは同じ商品になりますので、この記事では、両方まとめて評価していきたいと思います。
【女性入院特約】は保険料も安いので、20~30代で、出産前の女性や、女性疾病の保障を手厚くしておきたい、という人は、新キュアレディがよいと思いますよ!
まず初めに、新キュア(レディ)の特徴と押さえておきたいポイントとしては、
・保障は一生涯続く、終身タイプの医療保険で、保険料の値上がりが一切ないこと。
・保険料はかけすて。
・入院一時金、退院一時金、3大疾病一時金など特約が付けられる。
・男性、女性ともに保険料が安い。
・医療保険なので死亡保険金はない(保険料が○○才払済で保険料払込満了後の死亡(解約)時は、入院日額の10倍の返還金がある)こと。
になります。
まず、新キュア(レディ)の具体的な商品内容(主契約と特約、取扱範囲など)を以下の一覧でまとめてみました。
新キュア(レディ)の具体的な商品内容(主契約と特約、取扱範囲など)
名称 | 内容 |
---|---|
商品名 | オリックス生命・新キュア、新キュアレディ 正式名称:無配当 無解約払戻金型 医療保険(2013) |
主契約 | 入院給付金:病気やケガでの入院時に日帰り入院から保障される。1回の入院の支払限度日数は60日型・120日型の2タイプから選択する。 手術給付金:病気やケガで手術を受けた時に保障。入院、外来を問わず約1,000種類の手術が対象。外来手術⇒入院給付金日額の5倍、入院手術⇒入院給付金日額の20倍。 |
特約 (特則) | ・先進医療特約:先進医療給付金(技術料相当額(自己負担額))+支払額の10%。(通算2,000万円限度) ・入院一時金特約:入院給付金が支払われる入院をしたとき ・通院治療支援特約(退院時一時金給付型):入院給付金が支払われる入院をした後、生存して退院したとき ・女性入院特約:乳房や子宮など女性特有の病気や、帝王切開、甲状腺、がんでの入院時に、入院給付金の上乗せして受け取れる。 ・重度三疾病一時金特約:がんと診断されたとき、がんで入院したとき、急性心筋梗塞、脳卒中で入院したときに一時金として受け取れる(それぞれ1年に1回を限度に回数制限なし) ・がん一時金特約:がんと診断されたとき、がんで入院を開始したときに一時金として受け取れる(1年に1回を限度に支払回数無制限) ・がん通院特約:がんの治療を目的として所定の通院をしたとき ・七大生活習慣病入院給付特則(三大疾病無制限型 or 七大疾病無制限型):七大生活習慣病(三大疾病)による入院のとき:支払日数無制限になる。七大=①がん(悪性新生物・上皮内新生物) ②心疾患 ③脳血管疾患 ④糖尿病 ⑤高血圧性疾患 ⑥肝硬変 ⑦慢性腎不全 ※三大は①がん②心疾患 ③脳血管疾患のこと ・特定疾病保険料払込免除特則:特定疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態に該当すれば、以後の保険料を免除。 |
取扱範囲等 | ・契約可能年齢:0才~80才まで※新キュアレディは、16才~80才まで ・入院給付日額:5,000円~20,000円まで(千円単位で設定可※50才以上は日額3,000円~可) ・保険期間:終身(一生涯保障) ・保険料払込期間:終身払、55才払、60才払、65才払、70才払、10年払い から選択可 ・払込回数:月払い、半年払い、年払い ・払込方法:口座振替、クレジットカード(※クレカは月払い、半年・年払いとも10万円までが上限) |
非喫煙者割引 | なし |
貯蓄性 | なし(保険料払込満了後の解約(死亡)時に、入院日額10倍の返戻金はある※終身払は除く) |
特約の中途付加 | 可能(制約あり) |
その他 | セカンドオピニオン(T-PEC社)のサービスあり |
続いて、新キュア(レディ)の具体的な設計を、男女、終身払込と65才払済終身保障、で設計してみました。
新キュア(レディ)の具体的な設計例
まずは、終身払い、終身保障の保険料設計をご覧ください。
新キュアの保険料月額(男女、年齢別、終身払い)
契約年齢 | 男性 | 女性 | 女性 (キュアレディ) |
---|---|---|---|
20才 | 1,192円 | 1,450円 | 1,945円 |
30才 | 1,536円 | 1,728円 | 2,233円 |
40才 | 2,116円 | 2,020円 | 2,485円 |
50才 | 3,010円 | 2,727円 | 3,277円 |
60才 | 4,238円 | 3,821円 | 4,526円 |
・入院給付日額:5,000円
・1入院支払限度日数:120日型
・3大(7大)疾病無制限型特則:なし
・手術給付金:外来2.5万、入院10万円
・先進医療特約:付加
・特定疾病保険料払込免除特則:なし
・保険期間:終身
・保険料払込期間:終身払
※女性(キュアレディ)は、女性入院特約:5000円を付加したプラン
続いて、65才払済、終身保障の設計です。
新キュアの保険料月額(男女、年齢別、65才払済)
契約年齢 | 男性 | 女性 | 女性 (キュアレディ) |
---|---|---|---|
20才 | 1,543円 | 1,923円 | 2,488円 |
30才 | 2,090円 | 2,468円 | 3,113円 |
40才 | 3,077円 | 3,271円 | 3,931円 |
50才 | 5,662円 | 5,870円 | 7,000円 |
・入院給付日額:5,000円
・1入院支払限度日数:120日型
・3大(7大)疾病無制限型特則:なし
・手術給付金:外来2.5万、入院10万円
・先進医療特約:付加
・特定疾病保険料払込免除特則:なし
・保険期間:終身
・保険料払込期間:65才払済
※女性(キュアレディ)は、女性入院特約:5000円を付加したプラン
○○才払済がよいのか??、終身払いがよいのか??は、意見が分かれますが、医療保険はガン保険と違って、コロコロと変わらないので、医療保険に関しては、一生涯保有することを前提に、○○才払済で設定しているほうが、後々は、保険料の払込がなくても保障がずっと続いてくれるので、老後の負担が楽でよい、と思います。
・医療保険は、主契約と先進医療とのシンプルな形で、一生涯保有を前提に、○○才払済とする。
・がん保険など、特定疾病の保障は、時代によって、商品や医療も変わるので、終身払い、終身保障として、数年に一度は見直しをする。
が、良いと思っています。
続いて、新キュア(レディ)の主なデメリット、注意点などをお伝えします。
新キュア(レディ)のデメリットや注意点
△①契約した後で、特約を中途付加することは、基本的にできない(制約が多い)
先進医療特約や入院一時金特約など、の特約を後から付けたい、と思っても後からは付けることができず、それ以外の特約も中途付加には制約が多いです。
特約をどうするか悩むならば、始めに付けておくほうがよいでしょう。(逆に一度付けた特約を途中から外すことは可能です)。
△②女性入院特約でカバーしている範囲は、他社に比べると、せまい
新キュア(レディ)の女性入院特約は、所定の女性疾病や、がんで入院したとき、入院給付金日額が上乗せで給付されるというものです。
ちなみに、新キュア(レディ)の女性入院特約の内容は下表のとおりです。
病気の名前 | 内容 |
---|---|
がん | 悪性新生物および上皮内新生物(※女性特有のがんに限らない) |
甲状腺の疾患 | 甲状腺の良性新生物、甲状腺機能低下症など |
乳房および女性性器疾患 | 乳房、子宮、卵巣の良性新生物、子宮内膜症など |
妊娠、分娩および産じょくの合併症 | 異常分娩、子宮外妊娠など |
がんは、女性特有のがんに限らず全てのがん(胃がんとか肺がんとかも対象)で、女性に多い甲状腺の病気も含めているので、特段に狭いというわけではないのですが、三井住友あいおい生命や、チューリッヒ生命の女性疾病特約では、女性疾病でカバーしている範囲は新キュアレディよりもかなり広いので、それらと比較すると、物足りなさを感じます。
△③重度三疾病一時金特約の適用範囲が他社と比較してせまい
新キュア(レディ)でいうところの、重度三疾病とは、①がん(悪性新生物、上皮内新生物)、②急性心筋梗塞、③脳卒中のことです。
がんは、上皮内がんも対象になっているのでOKだと思うのですが、
②心臓と ③脳に関しては、急性心筋梗塞 と脳卒中に 限定されています。
他社の商品では、急性心筋梗塞に限定せずに、心疾患 まで範囲を広げたり、脳卒中に限定せずに、脳血管疾患として幅広くカバーするものもあるので、新キュアを見ると範囲がせまいな、と感じます。
△④クレジットカード契約での申込みは、上限金額が設定されている
クレジットカードでの契約は、1回の引き落としが、10万円までが限度になっています。
以前は、月払いは、月5万円まで、年払い、半年払いは、一回10万円まで、という制約があったのですが、月払いの制限がなくなって、今は、月払いでも半年払いでも年払いでも、クレジットカードは1回10万円までが限度になっています。
もっとも、医療保険で、保険料が1回、10万円を超えるケースは少ないと思いますが、年払いにすると、超える場合もまれにあるので、ここは注意が要るところです。
△⑤通販や、インターネット経由での申込の場合は、対面販売に比べて設計できるプランが少ない
新キュア(レディ)は、ネット上での評価が高いのですが、そのままネット申し込みしてしまうには、注意点があります。
ネット申込みだと選べるプランが少ない!ので、細かくカスタマイズや説明が聞ける、対面販売で検討してほしいです。
△⑥保険料水準は、ほぼ最安レベルだが、一番安い訳ではない
今回の2018.10月の改定で、終身払いは少し、保険料を値下げしたものの、○○才払済・終身保障タイプは、少し保険料を値上げしています。
比較すると、チューリッヒ生命や、ネオファースト生命の医療保険の方が安いこともあるので、比較はされたほうがよいと思います。
以上がデメリットや注意点になります。
では続いて、メリットや長所をお伝えします。
新キュア(レディ)のメリットや長所、魅力
◎①人気商品であるゆえの、安心感がある
新キュア(レディ)は、人気商品ということで、契約者も多く、保険会社も力を入れている主力商品なので、アフターなどでの安心感が、あります。
保険料もかなり安く、新キュア(レディ)は、入院限度日数:60日型と120日型とで保険料の差がほとんどないので、検討するならば、120日型がおススメです。
◎②入院一時金特約と、退院一時金特約(通院治療支援一時金特約)が追加され、選択肢が増えた
改定後の新キュア(レディ)には、入院一時金特約と、退院一時金特約(通院治療支援一時金特約)が追加されました。
そもそも、入院一時金特約がなぜ要るか?というと、最近の入院は、短い入院が多いため、入院給付金の日額を、1万円/日とか高めで設定しても、短い入院日数だと少ししかもらえない、という弱点をカバーするもので、入院した時点でまとまって10万円とか、をもらっておけば(実際には、給付金は退院後に請求することになるのですが)、入院一時金を高額療養費の支払い部分に充てて、入院日額を部屋代のようなイメージで使うことができますからね。
入院一時金特約は、他社では人気の高い特約なので、新キュア(レディ)にも、ようやく追加されたという印象ですが、退院一時金特約(通院治療支援一時金特約)という特約はめずらしい特約です。
退院してからの通院を日数で給付しましょう、という商品は、他社でも「退院給付金特約」といった名前で用意されていることが多いのですが、わざわざ退院後が終わったあとに、給付金の申請書類を書いて郵送する、というのも手間だと思いますので、生存して退院したら、その時点でまとまった一時金を給付しましょう、というのは、分かりやすくて、ユーザーの立場にたった特約だと思います。
◎③先進医療一時金として、先進医療給付金の10%が上乗せでもらえるようになった
先進医療(健康保険証が使えない治療)は、その技術料(要は治療費)が、全額自己負担になってしまうものなので、その技術料の実費を全額給付します、という特約が多いのですが、新キュア(レディ)の改定後の先進医療では、これが10%上乗せでもらえるようになりました。
他社の保険会社(朝日生命など)でも、この取り扱いをしている先進医療特約があって、すごくよいと思います。
例えば、がんの重粒子線治療で、技術料が300万円だった場合には、330万円が受け取れる、ということなので、上乗せでもらえた分をかかった交通費だったり、治療後の療養のために使ったりできることでしょう。
◎④先進医療特約が終身型であること(更新がないこと)
新キュア(レディ)の先進医療は終身保障なので、ずっと変わらない保険料で継続することができます。
他社の医療保険では、主契約は終身だけど、先進医療特約は、10年ごと更新で10年後の保険料は分からない、という会社も多い中、更新で保険料がUPすることがないのは、かなり安心です。
◎⑤特定疾病保険料払込免除特約の内容が手厚くなった
特定疾病保険料払込免除特約というのは、がんや、急性心筋梗塞、脳卒中といった大きな病気(3大疾病)になってしまったら、それ以降の保険料は免除されて、保障はそのまま継続してくれる、というものなのですが、改定後の新キュア(レディ)では、この内容が良くなりました。
改定後の、特定疾病保険料払込免除特約の要件は、
・初めて、悪性新生物(がん)と診断されたとき
・急性心筋梗塞で60日以上、労働制限を必要とする状態が継続したとき、または手術を受けたとき
・脳卒中で、60日以上、言語障害、麻痺などの後遺症が継続したとき、または手術を受けたとき
となって、または手術を受けたときという部分が追加されました。
ただ、がん以外の、心臓と脳に関しては、心疾患、脳血管疾患といった範囲までは拡大されていない(三井住友海上あいおい生命や、メットライフ生命の商品ではこの範囲が広く設定されている)ので、これは保険料とのバランスだったのだと思われます。
◎⑥重度三疾病一時金特約や、がん診断一時金特約の2回目以降の給付は2年待たなくても出る
先ほどデメリットの部分で、重度三疾病一時金の範囲が狭いとお伝えしましたが、メリットもあって、重度三疾病一時金の2回目以降の給付要件がゆるいのはメリットです。
具体的には、2回目以降の給付に関しては、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の治療を目的に入院を開始したとき、それぞれ1年に1回を限度に支払回数無制限で給付されるというもの、です。
(そんなことってある?という指摘もありますが。。)
他社では【2回目以降の給付金は2年経過後のみ対象】という商品が多いので、新キュア(レディ)のそれぞれ1年に1回まで給付を受けれる、という条件はかなり、安心感があると思います。
◎⑦入院限度日数の三大疾病無制限、七大疾病無制限が選べること
医療保険には、1入院での給付金が受け取れる限度日数というのが設定されていて、その限度日数を超えたら給付金は受け取ることはできません。
(例えば60日型で契約していて1入院が100日だった場合、60日を超えた40日分は給付金が支払われないのです)
有料ではありますがこの特則を付けると、1入院の支払限度日数(60日または120日)を超えても、三大(七大)疾病なら支払日数無制限までカバーできる、という安心感を持つことができます(そこまで、長い入院日数なんて最近では、少ないでしょう、という意見もありますが。。)。
ちなみに新キュア(レディ)でいうところの入院限度日数の三大疾病は、
①がん(悪性新生物・上皮内新生物)、②心疾患、③脳血管疾患
のことで、
七大生活習慣病は、上記3つプラス
④糖尿病、⑤高血圧性疾患、⑥肝硬変、⑦慢性腎不全 をいっています。
◎⑧健康医療相談サービス【ティーペック社提供】が無料で付帯されていること
ティーペック社の医療相談サービスは保険業界では有名で、健康に関する不安や医療(治療)に関する不安を相談できるというサービスなのですが、これが無料で利用できます。
最近の医療保険の商品では、付いていることがほとんどになってきてはいますが、普通に、よいサービスです(筆者も何度か使っています)。
①24時間電話健康相談サービス
健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスの相談を24時間年中無休で電話相談できるサービス
②セカンドオピニオンサービス
各専門分野の「総合相談医」と面談し、より良い医療を選ぶためのセカンドオピニオンを聞くことができるサービス
③糖尿病専門サポートサービス
糖尿病の相談が電話ででき、優秀糖尿病臨床医や糖尿病の専門医療機関の紹介が受けられるサービス
④介護・認知症サポートサービス
ケアマネジャーなどの相談スタッフが、介護・認知症の相談にのってくれるサービス
以上が、メリットや長所、魅力になります。
さいごに
新キュアか、新キュアレディのどちらがよいか?(要は、女性入院特約をつけるかどうか?)を悩むなら、20~30代の出産前の女性や、女性疾病の保障を手厚くしておきたい場合は、新キュアレディは、おススメです。
【女性入院特約】は保険料も安いですし、帝王切開や異常妊娠での給付は多いですから、出産が終わるまでの間だけ、女性入院特約を付けておいてもよいと思います。(後から、女性入院特約を外すイメージです)
けれども、新キュア(レディ)を検討しているなら、他社の医療保険、特に、
・ネオファースト生命、メットライフ生命 の医療保険などは、チェックしておいてほしい商品になります。
特にチューリッヒ生命や、ネオファースト生命の医療保険は、外来手術の軽い手術でも給付金が多めで出るように設計しても、新キュア(レディ)よりも保険料が安くなるケースもありますので、ぜひチェックしてみて下さい。
ご参考になれば嬉しいです。