ソニー生命の変額保険はFPなどの専門家に人気が高く(筆者も契約してます)、個別コンサルや営業マンの指導でも、数え切れないほど説明してきましたが、複雑な商品であるため、その魅力を充分に伝え切れない営業マンや、活用し切れていない契約者も少なくありません。
特に、2019.2月で商品が改定されて、
①予定死亡率が下がって保険料が安くなり、
②予定利率が、3.5%⇒3.0%に下がったことで、運用成果で契約者に有利になる、
など、商品が良くなりました。
そこで今回の記事ではそんな複雑な商品を少しでも分かりやすく、
■8つの特別勘定の選び方・3つのアドバイスと世界株式の評判
■損しないためのタイミングの見極め方3つ
■意外と知られていない運用益の引き出しの楽しみ方
■注意・こういう人は変額保険を選ばないで
を、徹底解説していきます!
まずは、変額保険の基本的な内容からです。
変額保険の基本的な内容
変額保険は、読んで字のとおり、金額が変わる保険、です。
何がどう変わるのか?というと、
契約者が選んだ特別勘定(要は運用先)の資産の運用実績に応じて、契約者が受け取る保険金や解約返戻金の額が変動する
というもの。
国内や海外の、株式や債券などで運用されるファンドのこと。
運用成果を直接契約者に還元するために、他の保険の資産(一般勘定)とは区分して運用管理されている。
保険を中途解約したときに契約者に払い戻されるお金のこと。
変動する理由は、変額保険は、契約者から預かった保険料を、保険会社が株式や債券で運用するため、その運用成果は毎日変動するからです。そしてその運用成果を、良い時も悪い時も、契約者がもらう金額に反映させましょう、という商品だからです。
といいつつも、もらえる金額が変動する、って。大丈夫!?ちゃんともらえるの?と不安になる方もいますよね。
そもそもなぜ変額保険が世の中に存在するのか?
どうしてそんな変動する商品が世の中に存在するのでしょうか?その理由をお伝えすると、
保険という商品は、基本的には長期の固定金利商品です。
契約時の利率がずっと変わらないのはメリットでもある一方で、金利が長期で固定されるので、昨今のような低金利の時代に契約すると、将来の金利や物価が上昇した場合でも、物価上昇(インフレ)に追い付かずに、将来のお金の価値が下がってしまう、というデメリットがあるのです。
特に20~30代の若い方は、死亡したり解約して保険を使うのが何10年も先になることもあるので、インフレに弱い!という保険のデメリットを解消するために、変額保険というものが存在するのです。
変額保険が存在する理由が分かったところで、ソニー生命の変額保険の具体的な内容を解説していきます。
ソニー生命の変額保険は3商品のラインナップがあります
1.変額保険【終身型】・・・以下、変額終身と記述
死亡・高度障害に対する保障が一生涯続く終身保険タイプです
終身の死亡保障の商品で、保険金と解約返戻金が変動する保険です。
契約例:変額終身保険(オプションA)35才男性
基本保険金額 | 保険期間 | 保険料 払込期間 | 保険料 (月額) | 払込保険料 (累計) |
---|---|---|---|---|
1,000万円 | 終身(一生涯) | 60才まで | 26,690円 | 800万円 |
運用実績 ※例示 | 65才時の解約返戻金 ※例示 |
---|---|
0% | 406万 |
3.0% | 745万 |
6.0% | 1372万 |
解約時の解約返戻金は運用実績に応じて日々変動しますが、死亡・高度障害の保険金は、運用実績がどんなに悪くても、基本保険金(この例ならば1,000万円)が最低保証されています。
ちなみに、この変額終身保険は最低200万円から契約できますから、解約しない前提で、200~300万円程度をインフレ対策しながら、お葬式代や死後の整理資金の目的で加入しておいてもよいでしょう。実際にそのような契約をされる方も(筆者を含めて)多くいます。
2.変額保険【有期型】・・・以下、変額有期と記述
契約者が設定した満期時に、満期保険金が受け取れる養老保険タイプです。
養老保険というと、満期保険金が確定しているのが一般的ですが、変額有期保険では、満期保険金が変動します。ただ、満期保険金や解約返戻金は運用実績に応じて日々変動しますが、死亡・高度障害の保険金は、運用実績がどんなに悪くても、基本保険金(この例ならば1,000万円)が最低保証されています。
契約例:変額有期保険(オプションA)35才男性
基本保険金額 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 保険料 (月額) | 払込保険料 累計 |
---|---|---|---|---|
1,000万円 | 60才満期 | 60才まで | 27,960円 | 838万円 |
運用実績 ※例示 | 60才満期時の 返戻金(保険金) ※例示 |
---|---|
0% | 675万円 |
3.0% | 1,000万円 |
6.0% | 1,529万円 |
変額有期保険は、最低100万円、月々3,000円から契約できるので、まずは小額から初めて後で追加契約で増やしていってもよいと思います。
3.変額保険【個人年金型】・・・以下、変額年金と記述
契約者が支払う保険料は一定で、年金支払い開始日に被保険者が生存している時に、契約時に決めた期間にわたって、年金を受け取る個人年金タイプです。
(この変額個人年金は、2019.2月での商品改定はありませんでした)
契約者が受取る年金額や解約返戻金は、運用実績に応じて変動します。なお、このタイプは運用実績がどんなに悪くても、基本保険金や解約返戻金の最低保証がありません。
契約例:変額個人年金保険(オプションA)35才男性
基本年金額 | 年金支払い期間 | 保険料払込期間 | 保険料(月額) | 払込保険料 累計 |
---|---|---|---|---|
100万円 | 60才から10年間 | 60才まで | 20,550円 | 616万円 |
運用実績 ※例示 | 60才時の解約返戻金 ※例示 |
---|---|
0% | 547万 |
3.5% | 869万 |
7.0% | 1424万 |
運用実績の例として表を使って、0%、3.0%(3.5%)、6.0%(7.0%)を記載しましたが、今お伝えしたソニー生命の変額終身、変額有期、変額年金 の3商品すべて、運用対象として8つの特別勘定(株式型や債券型など)に、どう配分させるのかを契約者自身が1%単位で選ぶ商品であり、その運用実績によって契約者が受け取る保険金や解約返戻金が変わってきます。
ですから、
■特別勘定(ファンド。要は投資先)選びと、
■解約するタイミング
の2点は、ものすごく、、重要なのです。
ではまず、特別勘定選びのポイントから、お伝えしていきます!
8つの特別勘定の選び方・3つのアドバイスと世界株式の評判
さきほど、ソニー生命の変額保険には、8つの特別勘定があるとお伝えしました。
特別勘定の種類と内容は具体的には以下のとおりです。
名称 | ベンチマーク | 運用方針 |
---|---|---|
株式型 | 日経平均株価 | 上場投資信託(日経225型ETF)を主体に投資を行い、株式市場との連動性を確保する |
日本成長株式型 | TOPIX | 追加型株式投資信託「フィデリティ・日本成長株・ファンドVA3(適格機関投資家専用)」に投資を行う |
世界コア株式型 | MSCIワールド・インデックス | 追加型株式投資信託「ワールドエクイティ・ファンドVL(適格機関投資家限定)」に投資を行う |
世界株式型 | MSCIワールド・インデックス | 有力な無形資産(ブランド)を保有する企業に注目し、更にファンダメンタルズ分析を行うことにより世界各国の株式に分散投資を行う |
債券型 | ー | 中長期的に安定した運用利回りを確保することを目標に、円貨建債券を中心としたポートフォリオを構築する |
世界債券型 | シティ世界国債インデックス | 金利の分析により、実質金利が高く、長短金利差が大きく、かつ経済環境が良好と判断される国に投資を行う |
総合型 | ー | 円貨建債券ポートフォリオから安定した利息収入を確保しつつ、経済・金融情勢を分析し、中長期的に投資リスクに比べて期待収益率が高いと判断される資産に積極的に資産配分を行う |
短期金融市場型 | 短期金利 | 短期債券および短期金融商品を中心に投資を行う |
聞きなれない用語も多く、実際にどのファンドをどう選べばよいか?って、悩みますよね。皆さまここでかなり、悩まれます。(ちなみにこの配分は契約後も、年間12回までいつでも変更できますので、ナーバスになり過ぎなくても大丈夫です。)
基本的に契約者の自己責任になりますが、筆者が考える、選ぶときのポイントを3パターンご提示しますので、参考にして下さると嬉しいです♪
パターン1:ソニー生命が用意した3種類のモデルポートフォリオ(保守・安定・積極)のどれかから選ぶ
(1)保守的
運用環境の変化に大きな影響を受けることのないよう、安定性を重視した配分
株式と債券の比率 | 株式:35% | 債券:65% |
国内と海外の比率 | 国内:53% | 海外:47% |
予想リターン | 予想リスク |
---|---|
3.4% | 6.9% |
(2)安定的
株式と債券にバランスよく配分することで安定したリターンを目指す
株式と債券の比率 | 株式:50% | 債券:50% |
国内と海外の比率 | 国内:52% | 海外:48% |
予想リターン | 予想リスク |
---|---|
4.4% | 8.8% |
(3)積極的
3つの中では最も積極的で、高いリターンが期待できる反面、運用環境の変化によるリスクも大きい
株式と債券の比率 | 株式:80% | 債券:20% |
国内と海外の比率 | 国内:49% | 海外:51% |
予想リターン | 予想リスク |
---|---|
6.4% | 12.7% |
予想リターン、予想リスク、とまたまた耳慣れない用語が出てきました。
予想リターンは、目標とする運用実績のことです。そして、予想リスク、とは、目標値からの想定ブレ幅という意味です。
想定しているブレ幅であって上下限を表すものではないので、相場の状況によってはこれ以上に振れることもあります。
積極的のポートフォリオならば、6.4%のリターン(運用実績)を目指しつつ、それを起点にプラスマイナス12.7%程度はブレ幅が想定(これ以上もある)されるでしょう、という意味です。
保守、安定、積極の3つをお話すると、日本人だからでしょうか。。真ん中の安定的を選ぶ方が多い印象です。
パターン2:日本・世界・株式・債券を25%ずつ選ぶ
日本と世界、株式と債券、この4つに分けて運用するパターン。
ちまたでは4分割と呼ばれており、具体的には、株式型・債券型・世界株式型・世界債券型の4つを25%ずつ分ける形です。
パターン1のモデルポートフォリオが出来る以前は、この4分割で運用している方も多かったです。
パターン3:世界株式100%で運用。超積極的で営業マンや業界人に評判がよい
かなりアグレッシブに運用するタイプですが、この選択をしている人も意外に居ます。
特に、営業マンや業界人に多い印象です。
その理由は、8つの特別勘定の中でも、
■【世界株式】だけにはソニー生命は、投資助言会社(モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント社)を付けて運用していること と、
■資産の運用成果が他の特別勘定と比較してもすごい からなのです。
過去の実績を参考紹介しますと、1999年に指数(要は時価)100だったものが2016年には指数700になっており、17年で+600%の運用成果です。
もちろん海外の株式ですから、他の特別勘定に比べるとリスク(振れ幅)は最も大きいので、長い運用期間の中ではマイナスになる時期もあると思いますが、マイナスも永遠に続くわけではありませんので、プラスに転じた時に解約をして解約返戻金をもらって利益を確定する、という終わり方もよいですね!
昨今の低金利から考えると6%を超える運用成果なんて難しいのでは?と思われるかもしれませんが、筆者自身も7%以上で運用できており(↓参照)、
これ以上の運用成果を出している営業マンも大勢います。ぜひ聞いてみて下さい。(※運用成果は個人の自己責任にてお願いします)
続いては、もう一つの超重要な、解約するタイミング についてです。
損しないためのタイミングの見極め方3つ
運用実績に応じてもらえる金額が変動する商品ですから、運用実績がプラスになっている時に解約するのが重要であり、理想的です。
解約するタイミングを見る方法は3つあります。
1・ソニー生命から毎年1回、過去1年間の契約者自身の運用実績が記載されたハガキが届くのでそれを見て確認する。
2・ニュース等で最近株価が上がっていると聞けば、株式に投資をしている変額保険の運用実績も良いということなので、契約者ウェブサービスかコールセンターで運用実績を確認してみる。
3・定期的に、契約者ウェブサービスで確認してみる。
この3つのやり方でタイミングを見計らってみることです。
ちなみに、損失を抑えるための工夫として補足をいたします。
変額終身は、運用実績がどんなにマイナスでも基本保険金は最低保証されているので、最悪、運用実績が悪ければ、終身(一生涯)そのまま放っておく、という選択ができるのですが、
変額有期と変額年金は、期間が決まっているので、満期や年金受取の時の運用実績がものすごく重要です。
今後、リーマンショックやバブル崩壊のような株価の暴落が起きる可能性もゼロではないので、
■変額有期は、満期の期間を最長の88才満期で設定しておく。
■変額年金は、保険料払込期間を最長の70才で設定し、受け取り期間も最長の15年間で設定しておく。
として、最長の契約期間まで引っ張っておくことも工夫の一つとしてお伝えしておきますね♪
そして、さきほどお伝えした 解約するタイミングの見極め方3つを見て、プラスの時に、解約して利益を確保されたらよいですよ。
最後に、ソニー生命の変額保険の魅力的な機能として、運用成果がプラスになっている時に、増えた分だけ引き出すことが出来る、
運用益の引き出し(オプションA)の楽しみ方
と
注意点 をお伝えしますね!
意外と知られていない運用益の引き出しの楽しみ方をお伝えします
ソニー生命の変額保険は契約時に、【オプションA】 か 【オプションB】 のどちらかを選択する必要があります。保険料はAもBも同じです。
オプションAは積立機能重視のタイプ
運用実績が好調で、予定利率(3.0%)を超えている場合、超えている部分(増加保険金という)だけを減額してお金をもらうことができます。
増えた分(運用利益)をまるでお小遣いのようにして先にもらえる機能があるのです(年間2回まで)。
いくら運用益が出ているかは、契約者ウェブサービスか、コールセンターで確認できます。
筆者自身もこの商品で何度か増加部分を引き出していますが、このような保険は他で聞いたことがなく、嬉しい機能ですね♪
オプションBは保障機能重視のタイプです
オプションBは、増えた分を保障部分の増加に充てるタイプです。
ざっくり説明すると、増加した積立金で毎月1か月分だけの死亡の定期保険を自動的に購入し、保障額を増やすイメージです。
運用益を特に引き出すつもりがなく、インフレ対策を目的として入るなら、オプションBがおすすめ。インフレ対策という変額保険本来の考え方に基づいたタイプです。ちなみに昔はオプションBのみでしたが、後でオプションAが追加されました。
契約途中でB⇒Aへの変更は可能ですが、A⇒Bへの変更はできません。
注意点。こういう方は変額保険を選ばないで
ここまで変額保険の詳しい内容をお伝えしてきました。
変額保険は運用で大きな利益が見込める一方で、運用がマイナスなら払い込んだ額より少なくなることもあるので、それを踏まえて、以下のような方は変額保険の契約を見合わせたほうがよいとアドバイスします。
■子どもの進学資金として使う目的で契約したい
子どもの進学資金として使う場合、必要となる時期は基本的に動かせないため、タイミングによっては元本割れになる可能性があります。
利益が上がれば良いのですが、マイナスだった時に、教育資金が足りない!?となってしまうと大変なことに。子どもの教育資金なので、投資的な要素は避けた方が無難でしょう。
■投資性の商品に抵抗がある 又は 商品内容がいまひとつ理解できない
変額保険は投資性が強く、かなり複雑な商品であることは間違いありません。説明を聞いても理解できなかったり、抵抗があるならば、見合わせた方がよいと思います。
ご参考にして下さいね。
まとめ
いかがでしたか?
変額保険の内容から注意点まで、ソニー生命の商品を中心にご説明してきました。
ちなみに、変額保険はソニー生命以外の他の会社もないの?と質問されることがあるのですが、変額有期保険はアクサ生命からも「ユニットリンク」という保険が、販売されていますが、商品内容(オプションAの機能がないこと)や運用面(ファンドの運用実績など)から、ソニー生命が他社を圧倒しているのが現状です。
2017.12.4以下追記しました⇓
2017.8月に、東京海上日動あんしん生命から、ソニー生命・変額保険(有期型)と、ほぼ同じタイプの保険が販売されました。⇒「東京海上あんしん生命・変額保険マーケットリンク評判などFPが解説」ソニー生命のような増加保険金額の減額(要はオプションAのこと)機能はありませんが、なかなか魅力的な商品になっていますよ。
また、アクサ生命のユニットリンク保険もこちらの記事⇒「アクサ生命ユニットリンクの評判やメリットは?現役FPが解説!」にまとめてみましたので、ぜひご覧下さい。
この記事が皆さまのお役に立てば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こちらの記事も一緒にいかがですか?ぜひご覧ください。
⇒「ソニー生命変額保険の運用益の引き出しとは?現役FPが解説!」